デザインの源泉

“衣服がファッションのためではなく、日常を生き抜くための道具であった時代“。衣服にはすべて意味がありました。現代では必要がなくなった機能や役割がありました。オルゲイユがつくりだす作品はそんな19世紀末から20世紀初頭の欧米のヴィンテージ衣料を基にデザインされています。
私たちはヴィンテージ衣料それ自体からはもちろん、当時の写真や広告、新聞や手紙などの史料から読み取れる時代背景を基に現代の目線から当時の衣服を考察し、また現代的な感性を加えて再構築しています。
ではなぜ私たちは時間と手間をかけて史料を読み取り、古いものをわざわざ復刻させるのでしょうか。ヴィンテージ衣料の魅力とはなんでしょうか。
現代的な大量生産・大量消費の渦中にある衣服はどれも均整がとれ無駄がなく、正確につくり込まれています。それは一方で画一的で平面的、機械的ともいえるかもしれません。
わたしたちが理想とするものは不均一で粗さが残り、非効率という面を持っています。
しかしそこにはつくり手やそれに携わる人の顔が浮かび上がるような立体感、温かみ、そこにしかない特別感が存在しているとわたしたちは確信しています。
ものづくりをする人、そしてそれを受け取る人をつなげる架け橋となるような衣服。
それが私たちの理想とするものづくりであり、私たちがヴィンテージ衣料に見出す価値なのです。
オルゲイユがみなさまにお届けするするアイテムは一般的なものとは一線を画す迫力や凄みを持ちながらもどこか温かく、親しみやすいものであるでしょう。それはまさにわたしたちがデザインの源泉とするヴィンテージ衣料に見られる特性なのです。