A SCENE OF MANUFACTURING VOL.5
A SCENE OF MANUFACTURING VOL.5
カジュアルクロージングには欠かせない「洗い」の工程。
戦後から独自の進化を遂げてきた日本のジーンズ産業を裏で支えたのは
「洗い場」と呼ばれる岡山県児島の工場でした。
柔らかく穿きやすいジーンズを作る為に始まったジーンズの洗い加工は、
ジーンズのファッション化と共に、国内外のメーカーからの多種多様な要望に応える為、
進化発展してきました。
世界中からリスペクトされるジャパンデニムを支える洗い加工の現場を探訪します。
洗い加工の基本はそのまま、洗い。
ノンウォッシュの製品をいかにその風合いを損なわず、
一定の縮率で洗うことができるか、シンプルであるが故に
技術の差が如実に表れるところです。
シンプルなウォッシュの他に
薬品を加えて色落ちをさせるバイオウォッシュなど、
ウォッシュの種類も様々です。
ストーンウォッシュは石の摩耗を利用して、
生地の表面を削る加工。
縫い上がった製品を軽石や人工的な研磨剤と共に洗濯機に入れ、
ウォッシュをかけます。
使用する石の種類や大きさを使い分け、
仕上げを多様化することができます。
ストーンウォッシュを施した製品は
古着のような風合いに仕上がります。
ブラシやサンドペーパーを使用し、
生地にダメージを与えていくシェービング。
デニム製品に長年着こんだようなヒゲやハチノスなどの
アタリ(経年変化による色落ち)を加えていく加工です。
デニムに一定のアタリを付けて、加工していくには
高い技術と経験が不可欠。
長年この道で技術を研鑽してきた、
デニム加工のスペシャリストたちによって
表現されるリアルな色落ち。
サンドブラストによる加工の場面。
製品に高圧噴射機で砂を吹き付け、
生地にダメージを与える加工です。
砂が噴射された部分が色落ちし、
着古したようなリアルな雰囲気に仕上がります。
ウォッシュや特殊加工が施された製品は
風通しのいい場所で乾燥させ、
仕上げへと持ち込まれます。
ウォッシュも加工も仕上げも
すべてに人の手がかけられています。
半世紀以上にもわたって蓄積された、
技術、ノウハウを基に今日も洗い加工は
進化し続けています。