極上のウールTシャツ
極上のウールTシャツ
“尾州産地”あるいは“Bishu”として日本のみならず世界にその名を轟かせる毛織物の名産地、愛知県一宮市。
木曽川の恩恵を受け、古くから繊維産業が盛んだったこの地域では、
糸の紡績から製織、整理加工、製品仕上げまで、ものづくりが地域で完結することで知られる。
地域での産業の完結は高い品質の保持に直結し、その結果として尾州は世界に名高い毛織物の産地として認識されるようになった。
「大鹿株式会社」の企画営業、彦坂さんとサンプル生地の仕上がりをチェックし、
改良点や最終の仕上げまで細かく打ち合わせをしていく。
打ち合わせも一段落したところで、来季の生地の参考にとサンプルを見せてもらった。
「春夏でも使えるウール生地はないですか?」
春夏の定番生地と言えばコットンや麻。
ものづくり的にもそこが春夏の主力となっていく。
しかし、定番だけではない、もう一歩踏み超えたものが欲しかった。
コットンや麻だけでは表現できない作品をつくりたかった。
「もちろんありますよ。ウールにも種類はたくさんあります。それこそ春夏用のものも。」
「夏用スーツだってウールですから。要はどのようなウールを使うかなんです。」
確かにそのとおりだ。
ツイードや編み物に使われる糸が太くザラザラしたものだけがウールではない。
スーツのようなキメ細かく繊細で滑らかなものだってウールだ。
彦坂さんがいくつかサンプルを持ってきてくれた。
「これはウール100%のTシャツです。ウールの速乾性、通気性を考えて行きついたのがTシャツでした。」
「実はウールのTシャツはアウトドアの世界ではポピュラーなんです。汗を素早く吸い取って、乾かすその性質から登山の際にインナーとしてよく着られるんです。」
正直言うと驚いた。
ウールと聞いてスーツや薄手でキメの細かいセーターは想像できてもTシャツまでは想像できなかった。
生地の面も柔らかく、コットンのカットソーとは一味違った風合いを持っている。
触ってみるとびっくりするほど柔らかく、しなやか。上質なコットンでも真似できないくらいに肌触りが良く、風合いも豊かだった。
オルゲイユにぴったりだ。すぐにそう思った。これをどうにかオルゲイユの世界観で表現したい。
ダメ元でその思いをぶつけた。
「是非やりましょう。」
すぐに快諾してくれた。
「尾州の生地の良さ、品質の高さをもっとたくさんの方に知っていただきたい。」
それが彦坂さんの思いだった。
「尾州の生地の良さを多くの人に伝える」
生半可なものづくりはできない。
産地の期待も背負っていると身が引き締まる思いだった。
生地の良さを最大限引き出しながら、生地にも負けないTシャツをつくる。
そうして二枚の作品が出来上がった。
オルゲイユでも人気のクルーネックとヘンリーネックのTシャツをベースにした。
ウールの柔らかい質感を尊重し、デザイン自体も丸みのある雰囲気に仕上げた。
クルーネックはできるだけシンプルにデザイン。極上のウール生地をこれでもかというまで楽しめる。
ヘンリーネックにはオルゲイユらしさを共存させた。オリジナルで復刻したベークライトボタンをアクセントとして配している。
丸みがあり優しい雰囲気のボタンとウール生地の相性は抜群。オルゲイユらしいクラシックさも表現できたと自負している。
そしてこの二枚のTシャツはより多くの人に着用していただきたいという思いから、ユニセックスアイテムとして展開することにした。
男性はもちろん、女性にもこの生地の良さを感じていただきたい。
オルゲイユと尾州産地とのタッグで生まれたこのウールTシャツ。
是非、この産地の誇りを背負った素晴らしいアイテムを手に取っていただきたい。
そして大切に長く着用していただきたい。
【大鹿株式会社】
愛知県一宮市を中心にテキスタイルや不動産など様々な事業を展開する。
尾州の特産でもある毛織物に特に強く、様々な要望に応えてくれる高度なノウハウを有する。
オルゲイユの突きつける無理難題もクリアし、期待以上の生地を提供してくれる、心強いパートナーである。
既に来季のアイテム企画も進行中。
続報を楽しみにしていただきたい。
【糸と色】
大鹿株式会社のオリジナルブランド「糸と色」はこちら。