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THE VINTAGE VOL.05

Grandfather Shirt

アイテムを企画する上で、デザインやインスピレーションの源泉となるヴィンテージ。

今回ご紹介するのは1930年代以前のグランパシャツ。

オルゲイユのシャツはこのグランパシャツのディテールを多く取り入れています。

近年は古着市場で人気・価値ともに急上昇している1着です。

  • ピッチの細かい縫製や、手縫いのボタンホールなどの特徴から
    1930年代以前に作られたと推測できる一着。

    古いミシンは運針のピッチが細かく繊細なところが特徴。

    またボタンホールにもミシンによるものでなく、人の手によって縫われた
    細かくて丁寧な仕事が見られます。

    グランパシャツと呼ばれるプルオーバーシャツは大きめのサイズ感で
    おじいさんが着ているような雰囲気が特徴。

    スタンドカラーで襟の後ろ部分にはざっくりとした切れ目が入っています。

    シャツの装飾も豪華で、ドレスライクな雰囲気もあります。

    ヴィンテージらしく、品質保証のスタンプなどが大胆に押されているのも
    見どころです。

  • 襟はスタンドカラーとなっていますが、ボタンホールが配されています。

    これは後付けで襟を装着できるようにしている為と思われます。

    1900年代初め頃のシャツには襟の着脱を考慮したものが多く見られます。

  • 品質保証のスタンプ。

    "WARRANTED WAMSUTTA" と書かれていることから
    1800年代半ば頃に高品質のコットン素材の製造で有名となった
    Wamsutta Mills 社の生地ではないかと推測できます。

    Wamsutta Mills 社は1847年に創業した、コットン素材のテキスタイルカンパニー。

    マサチューセッツ州、ニューベッドフォードに拠点を置いていたことから、
    アメリカ製のグランパシャツではないかと考えられます。

装飾性が高くゴージャスな印象の胸回りは

イカ胸と呼ばれる仕様。

 

写真2枚目は引き出しと呼ばれるもので、

トラウザーを穿いた際に、トラウザーの内側に付属している

ボタンで留めます。

 

当時はハイウエストでトラウザーを着用していた為、

この引き出しとスタンプは隠れる仕様となっています。

カフスと剣ボロ。

剣ボロは1枚仕立てとなっています。

 

オルゲイユのシャツの剣ボロはこの仕様を

模したものが多いです。

  • ベース型の補強。

    オルゲイユのクラシカルなシャツでも採用されている仕様です。

  • シャツの後ろ身頃には大きな切れ目が入っています。

    当時はシャツは下着と同じ扱い。

    シャツの上からベストやジャケットを羽織る為、
    この切れ目も隠れるようになっています。

    このグランパシャツはクラシカルなディテールが満載。

    この1枚から多くのアイテムが生み出されています。

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